或る街の群青
合コンに行ってまいりまして
かわいい女の子がおりました。
とても気さくに話しかけられる感じで
それはもう非日常な体験でした。
しかし、男というのは怖いもので
私が「あの子可愛かったなぁ」と言うと
友人は「俺もあの子とLINEするわ、とりあえずキープで」と被せてくるのです。
えっ
そのとき私の気持ちは複雑でした。
私の小心者な性格が故に起きた心地かもしれません。
私にはもう勝ち目がない
入る隙間がない
と感じてしまったのです。
結局私は意中の女性ではない方と連絡を取っているのですが
その方にも、最早相手にされていないような気がします。
世の中知らない人と知り合うと世界は広がるといいますが
知らなくてよいこともあるかもしれません。
少々感傷的な気持ちになった私ですが
そもそも人数合わせで呼ばれたこと
そもそも私のスペックが高くなかったこと
勝ち目だとかそういう問題ではなかったのです。
忸怩たる気持ちが胸の中を張り巡らせています。
こうして今宵も一人暮らしの夜は更けていくばかりです。
1992